様々な管理者の方のお悩みの一つに、
「○○について考えるように言っても、何も出てこない、良い案が出てこない」
というのがあります。
さて、言葉遊びではありますが、そもそも「考える」とはどういう意味なのでしょうか?
辞書で引いてみますと、
【知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。判断する。結論を導き出す。】
となっています。
なかなか、固い文章ですね。
ここで大切なことは「筋道を立てて」「結論を導き出す」ということになるかと思います。
すなわち、
「考えてみました!こんなん、どうっすか?」
的に出てくるものは、実は「考える」ではないことが多いのです。
では何か?
それは「思いつく」です。
多くの方が行っているのは、「考える」のではなく「思いつく」ということの方が多いのですね。
だから使えない。なので、管理者が頭を抱えてしまう・・・というわけです。
「思いつく」というのは、同じく辞書で調べてみると、
【ある考えがふと心に浮かぶ。考えつく。】
となっています。
そうなんです。「ふと」なんです。「つく」なんです。
つまり、たまたま、頭や心に浮かんできたものなのですね。
思いつかない人より「思いつく」人の方が素晴らしいのは言うまでもありませんが、「思いつく」だけでは、それは何の役にも立ちません。
そこから、たくさん「考える」作業を行わないと、使えるものになりません。
「考える」ために必要な思考は、基本的には次の2つです。
「なんで?」 と 「それで?」
なんで、そう思ったのかをしっかりと考え、それで、どうしたいのか?どうしていくのか?をしっかりと考える。
「どうするか」を考えたらなんで、その方法を思ったのかをしっかりと考え、それで、その方法はベストなのかをしっかりと考える。
それが決まったら、
なんで、・・・・・・
それで、・・・・・・
とまぁ、最低3回は、このような作業をしていかなければなりません。
この3回の作業の間に、検討しないといけない問題点がいくつか登場してきます。
この問題点に対して、また、「なんで?」と「それで?」を繰り返して補完していく。
という作業が必要なわけです。
すなわち、
「考える」ってことは練習しないといけないんですよね。
人間、日々、いろいろ考えているようで、実は考えていなことが多いのです。
マラソンを走るためには、まずは100mぐらい歩くことから始めて、少しずつ距離を伸ばして、ゆっくり走り始めて、じわじわと速度と距離を上げていくことが必要ですよね。
同じように、「考える」も少しずつ練習していかないと、ちゃんと「考える」ことができるようになりません。
だから、「考える」練習ができる環境を作っていくのも、管理者の大切な務めというわけです。
(記 平成25年1月26日)
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