先日、某話し合いの会にて、アンケート実施についての意見交換がありました。
その際に出た質問
『アンケートで問題点把握というけれど、
以前とったアンケートは、その後何も対応がとられていない。
大きな手間をかけて、また、何でアンケートをとらないといけないのか?』
・・・・・・うむ。その通り。
個人的に、アンケートというものに対して、あまり意味を理解しておりません。
医療・介護業界においても、学会等で多くの『アンケート結果』がよく出されます。
看護とか、介護とか、特に多いような気もします。
アンケートを取りました。結果がこうでした。 ・・・ わかります。
で、翌年どうなったのかといえば、そのアンケートのことなんぞどこかに行ってしまっている。
これでは、アンケートを取るためにアンケートをしただけで、何も解決に向かいません。
知る人は知っていますが、石崎は統計学に関して、一定の知識を持っています。
極論を言えば、統計学を使って、白のものを黒ということもできます。
その目線で考えると、アンケートというのは、かなり曖昧で『操作しやすい』ものであるともいえます。
アンケートを行う意味を考えるとき、
1.アンケートを取るという行為が目的でアンケートをとるのか?
2.アンケート結果から、現状を把握するためにとるのか?
3.アンケートで、『ある結果』を導きたいがためにとるのか?
とう3つに分かれると思います。
1.に関しては、先の例のように、例えば、学会発表をしなければならないが、ネタがないのでアンケートでも・・・というケース
2.については、本来のアンケートというものでしょうか。
3.については、行政等が行うアンケート結果などが、それに当たるのではないかと思います。
アンケートというのは、ビジネスの世界で考えると、マーケティングの一部でもあります。
ただ、そのアンケート結果に(そのまま)従って作られた商品・サービスで、成功した事例をあまり聞いたことはありません。
理由はいろいろあるかと思いますが、個人的にはアンケートの内容そのものが問題であると考えています。
上記でいえば、3.にあたります。
そもそも、アンケートをちゃんと見てみると、
A 個人情報を取得したい部分(ない場合もあり)
B どうでもよいような内容
C 答えがクローズになっている内容
にわかれるケースが多いです。
懸賞などの個人情報の取得を目的とした、なんちゃってアンケートの場合は、Aが目的ですので、内容なんぞどうでもよいのですが、多くのアンケートの内容は、Cであることが多いです。
ネットアンケートなんか特にそうですね。
すなわち、すでに導かれる答えが用意されていて、その範囲の中から回答を選ぶというもの。
問題点を把握するアンケートなんかは、すでに問題点がアンケートの中にしっかりと書かれているため、無回答でも、そのまま資料として使えるような内容です。
実によくできた内容です。
あとは、その記載項目に順番が付くだけです。
順番がどうあれ、問題点はしっかりと把握されています。
だったら、膨大な手間隙資金を使った、アンケートなんていらないじゃん!
ということになってくるわけです。
(無償でアンケートに記入する人たちから奪う時間を考えただけで恐ろしいことです。)
さて、ここで最初に戻るのですが、
はじめっから問題点がわかっているのだから、
アンケートする時間があれば、問題解決のために先に進もうぜっ!!
ってことなんですよね。
アンケートなんて、あんまりしないし・・・と思っている方、
実は、アンケートに似たようなことが身近にあります。
それは多数決。
『こういう解決方法はどうでしょう?』
『そうですね。みんなに聞いてみます。』
・・・ 『みんな、あまり賛成してないですね。』
ってことで、何も動かず。何も変わらず。でも代案はない。
ということって、割と多いような気がします。
つまり、みんなに意見を聞くのは面倒ではないけれど、実際に動くのは面倒ということです。
アンケートも同じ。
アンケートを取るという作業は頑張るけれど、その結果をもとに、何かに取り組んでいくのは面倒 というわけです。
でも、何かやった気になってくる。達成した気になってくる。
とっても危険だと思います。
その点では、形は違うようで素晴らしいアンケートが、スーパー等の『お客様のご意見』というものですね。
これ、完全なるフリーアンケートです。
で、サービスに力を入れているスーパーほど、声を分析して、グループ化し、原因を把握し、対策をたてて、『ご返事』ということで張り出すわけですね。
そりゃ、どんどん素晴らしくなっていくわけです。
ということで、アンケートという道具、使い方次第です。
皆さんは、どのように使われていますか?
(記 平成25年4月27日)
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