前回は、「懐かしい」の定義も「モノ」や「コト」から考えてみました。
今回は「ウタ」から考えてみたいと思います。
「歌」ですね。
若かりし頃、年配の方々とお酒を飲みに行った際に、カラオケとなると、
いわゆる「知らない歌」ばかりを聞かされておりました。
当時としては「古い歌ばかりだなぁ。知らないなぁ。」などと考えておりましたが、よくよく考えると、その年代の方々の「青春時代の歌」ばかりです。
私は1973年生まれですが、カラオケで歌う歌といえば、もう20年以上前の歌ばかりです。
今の若い方にとっては、「古い」「知らない」「何それ?」という歌ばかりになってきます。
このことから考えて、「懐かしいと思える歌」を定義してみると、15歳〜22歳 あたりの8年間の歌ということになるのかと思います。
前回と同じく第2次世界大戦(戦争)は、
1941年〜1945年、昭和16年〜昭和20年
という期間だったことを一つの目安としてみてください。
→ 昭和19年の歌謡曲はこちら
→ 昭和20年の歌謡曲はこちら
さすがに、戦争終盤の歌のタイトルらしきものが並んでいますね。
自由に歌うことも許されなかった時代と推測されます。
例えば90歳のおばあちゃんの場合、1926年、大正15年生まれとなります。
「懐かしい歌」の期間は、昭和16年〜昭和23年。
→ 昭和16年の歌謡曲はこちら
→ 昭和23年の歌謡曲はこちら
昭和23年には、「東京ブギウギ」や「憧れのハワイ航路」などがありますね。
時代が変わってきていることを感じます。
ちなみに、美空ひばりさんの「悲しき口笛」の大ヒットは昭和24年、「東京キッド」は昭和25年です。
例えば80歳のおばあちゃんの場合、1936年、昭和11年生まれとなります。
「懐かしい歌」の期間は、昭和26年〜昭和33年。
→ 昭和26年の歌謡曲はこちら
美空ひばりさん、高峰三枝子さんらの時代です。
→ 昭和33年の歌謡曲はこちら
石原裕次郎さん、三橋美智也さん、三波春夫さん、小林旭さん、美空ひばりさん、雪村いづみさん、島倉千代子さん、五月みどりさん、ミッキー・カーチスさん、フランク永井さんら、錚々たる方々のお名前が出てきます。
例えば、70歳の女性の場合、1946年、昭和21年生まれとなります。
「懐かしい歌」の期間は、昭和36年〜昭和43年。
→ 昭和36年の歌謡曲はこちら
昭和33年の面々に、かまやつヒロシさん、ジェームス三木さん、植木等さん、坂本九さん、村田英雄さん、らが登場してきます。
→ 昭和43年の歌謡曲はこちら
ヴィレッジ・シンガーズや、ザ・タイガース、フォーリーブス、ピンキーとキラーズ、ロス・インディオスなど、グループサウンズやデュオが登場してきます。
伊東ゆかりさん、いしだあゆみさん、北島三郎さん、千昌夫さん、美川憲一さんらのお名前が出てきます。
うわぁ、このリサーチ、面白すぎます!!
こうしてみると、「歌の10年」の世界は、まったく異次元の世界になっていることがわかります。
80歳の方と、90歳の方の知っている歌は、かなりの開きがあるということですね。
もしかすると、もしかしなくても、今も昔も「カラオケ」というのは、同年代以外では、歌っている人意外は楽しくないのかもしれません。
10歳年下の方々の歌っている歌が、知らないものばかりになっているのは仕方ありませんね。
少し話は飛びますが、今の時代、「卒業ソング」も全く違うものになってきているそうです。
「仰げば尊し」が歌われなくなっていることに、先日、驚愕してしまいました。
時代は移り変わりますね。
ちなみに、私が80歳ぐらいのときには、デイサービスのカラオケにて、
GLAYの「Winter,again」 や、B'zの「LOVE PHANTOM」 などを熱唱して、
脳血管が切れかけて、救急車で運ばれていることが想定されます(汗)
さらに下の世代が高齢者になるときには、すべて歌詞がラップだったりして、職員の方がついていけなかったりして(笑)
いずれにしろ、いつの時代も、歌っていうのはいいものですね!
(記 平成28年8月15日)
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