2023.09.25メディカサイトコラム

本質的な「介護実践教育」:「やってますか?100」のご紹介

先日、ある介護福祉士さんにお会いしました。

いろいろお話を聞かせていただいたところ

・理念
・理論
・実践、検証

をとことん追求されている方。

それでいて、上からではなく、とても楽しそうに介護について語られます。

私の個人的感想ですが、介護のプロとして、おそらく愛媛県でトップ3に入るレベルかなと思います。

良い会社、良い上司、良い職場で、経験を積まれてこられたのがわかります。

 

その方がずっと言われていたのが

「研修は大事!!」

ということ。

正しい研修を受け、そして実践し、検証を行う。

研修と実践を繰り返すことで、利用者さんにとっても、ご家族にとっても、そして介護職員さんにとっても、良い介護サービスになっていきます。

 

その方が言われていたもう一つのことが

【やってますか?100】を知っている人に会ったことがないのですよね。」

ということでした。

 

恥ずかしながら、私も知りませんでしたので、早速、購入して読んでみました。

いや、読むというより、読み始めた瞬間から「熟読」しないといけないレベルの本です。

 

改訂版 介護実践教育マニュアル
やってますか?100

 

まず「はじめに」が、P10~P20まで書かれています。

この「はじめに」を読むだけでも、思いっきり頭をぶん殴られるような感覚です。

転載はできませんので、内容の一部をまとめてみます。

 

世間一般の人たちだけでなく
高齢者自身も
さらには援助を行う人たちでさえも
「高齢者は弱いもの」
「高齢者に意見を求めてもしかたがない」
「高齢者は大きな子どもである」
という思い込みを持っています。

 

私たちの努力によって
その要望がかなえられると
新たに別の要望を期待するものです。
高齢者の要望は繰り返し限りがなく
サービスには限度がないのです。
終わりのない要望は、介護をする側に負担を与えてしまうかもしれません。

 

私たちの顧客はだれか?
顧客の順位
①高齢者
②その家族
③紹介者
④支援者
利害関係が相反する場合、どのような場合でも、高齢者の側に立って考えなければなりません。

 

高齢者が要望を訴えない理由
「要望を訴えてもどうせ実現してもらえない」
「要望を訴えるとかえって協調性がない人とみなされ、施設などでは特に悪い扱いを受けるかもしれない」

 

人間の価値を決めるのは本人ではありません。
他人がその人の価値を決める、ということを理解しておきましょう。
介護者がぞんざいな態度で接すると、それを見ている人たちは、高齢者に価値の低いイメージを持つようになります。
高齢者の身なりが悪かったり、また大勢で、しかも幼児のような悪戯を行っている場合も同様です。

 

高齢者にとって、社会的役割はレクリエーションや遊戯によって創造されるわけではありません。
社会的役割は自分が属しているグループによって与えられます。
つまり、グループ形成による社会的役割の創造が必要なのです。

 

要望を聴取した後に最も大切なことは、高齢者と交渉をすることです。
多くの場合、高齢者は交渉相手になっていません。
家族との交渉に切り替えられたり、実現できるかできないかを施設側が勝手に決めたりしています。

 

多くの高齢者は、施設に入る前、あるいは障害が起こる前の生活を再び送りたいと考えているのです。
高齢者施設では、その施設が決めた生活様式が当然のものとして考えらえるため、そこで働く介護者は、高齢者の目指す生活がどのようなものかを考えません。

 

「理屈」と「現象」
目の前にいくつも「現象」があっても
私たちは「現象」を捨て「理屈」を取っていることが多い。
あふれる情報によって「理屈」の世界に住んでいると、ますます「現象」を把握する力が低下してくる。
医師が「現象」を見ないで「理屈」でしか判断していないからです。
看護においては「専門看護」が普及するほどに、「現象」を見る力は低下している。正しい「現象」を観察したとしても
多くの場合「理屈」が支配する頭の中を通る際に
正しい「現象」が曲げられる可能性があります。

 

接遇やマナーの習得こそが、質の高いサービスの提供に繋がります。

 

以上、ほんの一部ですが、これは「はじめに」に書かれている内容です。

このような、基本的思考、基本的行動をベースとして、

Section 1 高齢者への接し方や態度について
Section 2 仕事上の態度について
Section 3 食事について
Section 4 移乗や移動について
Section 5 排泄について
Section 6 入浴について
Section 7 着替えや整容について
Section 8 服薬について
Section 9 意思疎通について
Section 10 行動障害について
Section 11 普通の生活やアクティビティについて
Section 12 家族への働きかけについて
Section 13 施設管理について

各項目ごとに、具体的事例を検討しながら、学んで、実践して、検証することができる内容となっています。

 

介護保険法 第1条には、介護の【目的】が記載されています。

第一条
この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

私たちが日々行っている業務は、「介護」なのか「作業」なのか?

基本的理論や思考に基づき、現場ではどのような対応をしていけばよいのか?

様々な「気付き」を得られる、研修マニュアルです。

ぜひ、あなたの介護事業所でも、まずは「読み合う」ことから始めていくと、良い研修になるのではないかと思います。

改訂版 介護実践教育マニュアル
やってますか?100

まずは、経営者、管理者の方が熟読され、納得してから始められると良いと思います。

現場に丸投げだと、たぶん意味がないものとなる可能性が高いです。

amazonで、即、購入できますので、ぜひ研修にご活用ください!!

 

 

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