2015.05.15今月のメディカサイト特集

『 ”新しい特養のカタチ” サテライト型特養・ユニット型特養を作った想い！』

今、サテライト型やユニット型を増設している特別養護老人ホームが増えているのをご存知ですか？
増設したのは、決してベッドを増やし、利用者を増やすことが目的ではありません。
これからの介護と向き合う、真摯な気持ちの現れです。
今月の特集では新型特養をつくった3つの施設に、新設の目的とこれからの介護について、お話をうかがいました。

[ 施設長への３つの質問 ]

重松　速男さん

■　施設はどのように変わったのですか？
ワンフロア30人の”従来型”集団ケアから、12～13人単位のユニットケアへ。
従来の施設から個室を増やし、ゆとりを持った部屋割りにした分、全室個室、10人ずつの3ユニットを設けた新たな施設を増設しました。

■　なぜ新たな施設を？その想いは？
利用者さんには、家庭に近い環境で過ごしていただきたい。
部屋のドアを開け放しにしたり、大人数で集団行動を強制させたりするのは、介護の勝手だと思うのです。
もちろん大人数で過ごす方が好きな方、誰かと同室の方が落ち着く方もいらっしゃいます。
そんな方には、2人部屋や4人部屋を利用していただいています。利用者が自分にとってよい方法を選べるよう、選択肢を増やすこと・・・それが「個人の尊厳を守る」ことにつながるはずです。

■　新設して、よかったことは？
面会室を使わなくても、個室で会える気軽さから、家族の面会が圧倒的に増えました。
なかには、1日に3～4回来られる人もいらっしゃいます。
外からの出入りが増えることによって、地域に開かれた施設になったのではないでしょうか。

【特別養護老人ホーム和光苑】

「和光苑」では”従来型”の建物を利用し、ユニットケアを行っています。
建物の構造上、なかなか難しい点もありますが、廊下を活用しユニットを区切っています。

【特別養護老人ホーム和光苑　（ユニット型）】

こちらが新設した「和光苑（ユニット型）」です。
プライバシーを守るドアは、ユニットごとに違うビビットなカラーで分けられ、フロア全体を明るく演出してくれます。

ユニットごとに集まることができる、オープンスペース。
食事をしたり、おしゃべりをしたり・・・部屋から自由に出入りすることができます。

【ご施設情報】

特別養護老人ホーム　和光苑
〒 791-1114
愛媛県松山市井門町1099番地
TEL　089-969-0001
＞ご施設紹介ページはこちら！
http://www.medica-site.com/shisetsu_detail.php?recid=108

特別養護老人ホーム　和光苑（ユニット型）
〒 791-1114
愛媛県松山市井門町1099番地
TEL　089-969-0001
＞ご施設紹介ページはこちら！
http://www.medica-site.com/shisetsu_detail.php?recid=633

[ 施設長への３つの質問 ]

池内　和美さん

■　施設はどのように変わったのですか？
「高縄荘」の定員を20名減らし、ゆったりとした空間を多くしました。
また、サテライト型特養「あやめ荘」は街の中心部からも近く、ご家族も立寄やすい下難波に特養20室、ショートステイ10室（全室個室）を建設しました。
これらにより、双方の施設において、個室、二人部屋、四人部屋と数多くの部屋が選択できるようになり、また、ユニット型、従来型と、個人の要望や状態に応じた環境を整える事ができました。

■　なぜ新たな施設を？その想いは？
施設が職員にとって働きやすい、楽しみが持てる場所となり、利用者の方たちが過ごしやすい快適な場所で生きがいのもてる生活ができることを願いました。また、少子高齢化の到来により「介護」の重要性が更に増した現在、地域の中心となって、地域の介護を支えられるよう支援させて頂きたいと思っています。

■　新設して、よかったことは？
従来型特養やユニット型特養により選択の幅が広がり、ご利用者の方たちは部屋の形態や利用料金等ご自身に合わせた状況により、使いやすい、過ごしやすい環境を選べる体制づくりができました。
また、職員も地域の方が多く、ご利用者と顔なじみの方が多い為、安心して利用できる施設となっています。

【特別養護老人ホーム　高縄荘】

部屋は明るく、季節の移ろいが肌で感じられる快適な居住空間となっており、ご利用者の状態により、ベッドや畳での生活も選択できるようになっています。

【サテライト型　特別養護老人ホームあやめ荘】

サテライト型特養「あやめ荘」は、木造で温かみのある建物です。
木の香漂う環境の中、落ち着いた生活ができ、ゆったりとした時間が流れます。

ユニットごとに設けられた明るい快適な空間のある共同生活室から移り行く季節が味わえ、その時々の花が楽しめ、また、利用者さん同士が気軽に交流できるスペースとなっています。

【ご施設情報】

特別養護老人ホーム　高縄荘
〒 799-2414
愛媛県松山市立岩中村３４６
TEL　089-996-0333
＞ご施設紹介ページはこちら！
http://www.medica-site.com/shisetsu_detail.php?recid=21

サテライト型特別養護老人ホーム　あやめ荘
〒 799-2407
愛媛県松山市下難波甲１３５番
TEL　089-993-3838
＞ご施設紹介ページはこちら！
http://www.medica-site.com/shisetsu_detail.php?recid=632

[ 施設長への３つの質問 ]

高橋　清司さん

■　施設はどのように変わったのですか？
70床の特養から、10床のサテライト施設を分離し、従来型の居室をユニット型60床の居室としました。

■　なぜ新たな施設を？その想いは？
グループの基本理念は、
◎お年寄りに対する尊敬の気持ち
◎やりがいのある職場づくり
◎地域社会への貢献
です。
施設運営は、この基本理念を追求しながら行っています。
そのため、ユニット型、サテライト型が目的ということではありません。
経営的に見れば、サテライトを作ることによって、ベッド数が増えるわけではありません。
それでも投資をしてサテライトを創ったのは、これらの基本理念を推進していくためです。
お年寄りに対する尊敬の気持ちを大切にするためには「ユニットケア」が、家庭的なケアを目指すためには、第二の我が家となる落ち着ける空間「個室」が必要だったのです。

■　新設して、よかったことは？
サテライト難波は、特別養護老人ホーム安寿荘から少し離れた難波という場所にありますが、これは、私たちが、介護サービスを行うエリアを中学校単位で考えているからです。
この考え方は、在宅介護支援センターの考え方から来ています。
安寿会とグループの慈孝会でサポートしている地域の中で、サテライト型特養が必要だった地域が、難波という地区でした。
私たちがサポートしているエリアには、様々な介護事業所や医療機関があります。
エリアにサービスが集まっているということは、サービスの認知の点でも、サービスを選択できるという点でも、素晴らしいことだと思います。
私たちは、その中の選択肢の一つでありたい。それが、地域のためにもなっていくのではないかと思います。

【特別養護老人ホーム　安寿荘】

本体の「安寿荘」は、もともとユニットの考え方を取り入れていましたが、定員が少なくなったことにより、お一人あたりのスペースが広くなり、より快適に過ごしていただくことができるようになりました。