2015.05.28今月のメディカサイト特集

『多様な人材が活躍する地域づくりへ・・・「仕事と介護の両立」を考える交流講座』

愛媛県の高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は約27%。
全国で9位という事実をご存知ですか?
これからは、働く人の8割が「誰かの介護に関わる」時代。
介護離職も急増しています。
このままでは愛媛県の労働力が17年後の2030年には、不足に転じるとの試算も出ており(いよぎん地域経済研究センター)、「働く代わりはいくらでもいる」時代ではなくなってきました。
そこで企画されたのが、「仕事と介護の両立」をテーマにした交流講座。
平成25年度愛媛未来づくり恊働提案事業として、東・中・南予で開催されました。


 

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中予の交流会で講師を務めてくださったのは、渥美由喜氏。
これまでに海外10数カ国を含む、国内のワークライフバランス(仕事と生活の調和)・ダイバーシティ(多様な人材の活用)先進企業700社、海外100社を訪問ヒアリングし、3000社の財務データを分析。
コンサルタントやアドバイザーとして、ワークライフバランスやダイバーシティに取り組む企業の取組推進をサポートしています。
プライベートでは、夫婦で共働き。
6歳と3歳の育児中。
2回育休を取得した経験があるそうです。
さらに、4年前から、実父が認知症、統合失調になり要介護。
去年、次男が難病になり、要看護となりました。 中予の交流会で講師を務めてくださったのは、渥美由喜氏。

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そんな渥美さんが訴えるのは、「介護はビジネスと対局にあるのではなく、むしろ介護はビジネスパーソンに向いている」ということです。
仕事で培った知力、体力、精神力、情報収集力、人間関係構築力があれば必ず乗り越えられるとのこと。
例えば、父が要介護状態になったならば、ただちに「家族会議」。
父の介護を「一大プロジェクト」と位置づけし、父の意向を踏まえて、今後どのような生活を送るのが一番幸せかというゴールをイメージします。
そしてそのゴールに必要な要素を洗い出し、タイムスケジュール、時間配分、経済的な負担、介護サービスの理由を含めて、老父の新たな生活を支援する体制作りを行う・・・というような具合です。
親や子どもは取り替えられないけれど、仕事や職場は取り替えができます。
子どもや親のペースを尊重しつつ、自分はペースアップ。
徹底的に業務を効率化していくことができれば、生産性も高まり、ライフもキャリアもレベルアップしていくことができるのです。

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そうやって、介護と仕事を両立できるようになった人は、確実に生産性が上がり、”仕事ができる人”となっています。
介護者を抱えるのは、企業にとって負担になるのではなく、長い目で見ると優秀な人材を確保するチャンス。
「ワークライフバランス・ダイバーシティは企業にとって単なるコストではなく、むしろハイリターン投資」なのです。
ちなみに、介護をきっかけに愛媛県にIターン、Uターンして帰ってくる人材には優秀な人が多いと思われます。
親に支援してもらって都会へ出たエリート達の可能性が高いからです。
企業にとっては、人材確保のチャンスですね。

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介護は突然やってきます。
今は無関係でも、いずれ自分や部下が当事者になる可能性大なのです。
来るべきときのために、事前に業務の進め方、情報共有の方法、マネジメント面の準備をしておきましょう。
こういった下準備が、即効薬ではないけれど「漢方薬」のようにじわじわきいて、強靭な企業体質、持続性の高い地域となっていきます。
「幸せ」は不幸が起きないことではありません。
不幸から逃げずに、誰かに押し付けずに、協力して乗り越えることです。
ワークライフバランスは幸せへの道しるべなのです。

 

discussion

【パネラーの皆さん】
OLYMPUS DIGITAL CAMERA 渥美 由喜 氏

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 小原 明美 氏(株式会社えひめリビング新聞社編集長)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 永江 美香 氏(在宅ケアセンターひなたぼっこ)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 岩丸 裕建 氏(一般社団法人愛媛法人会連合会事務局長)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 進行:合田みゆきさん(フリーアナウンサー)

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パネルディスカッションでは、さまざまな立場からの意見交換。
「フルタイムで介護するのは大変だと思われがちだけど、フルタイムだからこそ介護から離れている時間ができる。
先に離職という選択をしてほしくない。
今の充実した介護サービスを利用してほしい」。
「男性は、育児で介護をリハーサルするべき」。
「子育てをしたことのない団塊の世代の“育じぃプロジェクト”を行っている。介護のヒントとなる」。
など、リアルでユニークな意見が飛び交いました。
渥美さんは、「自己犠牲の精神で介護をするのは間違っている。仕事を辞めるという選択肢より先に介護サービスを利用するべき」、「介護サービスを使う際に、親を説得するプロセスが大切。言い負かさそうとしない。セキララに想いを伝える」などアドバイスをし、まとめました。


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講師は、イクメンならぬ「ケアメンプロジェクト」の提案をされている津止氏。
介護は「年老いた親の介護」だけではありません。
パートナーの、兄弟の、子どもの介護もあります。
働きながらの介護に対する心構えを一緒に考えてみました。

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介護で「地域の手」を必要としている人が増えています。
子育ても介護も、家族以外に頼れる人や手段があります。
地方だからこそ、介護を取り巻く地域づくり・ハタラクを考えました。


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【 このイベントの主催 】
NPO法人ワークライフ・コラボ、愛媛県
◆イベント詳細について
http://workkaigo.web.fc2.com/kaigo0825.html

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