2016.03.08今月のメディカサイト特集

『在宅療養を支える病床「たんぽぽのおうち」の想い』

2016年2月12日、在宅療養・在宅ホスピス支援のための病床「たんぽぽのおうち」がオープンしました!
運営されるのは、自宅や施設で療養される方々をサポートし続けているたんぽぽクリニック(医療法人ゆうの森)さん。
どのような想いでこの病床をオープンされたのでしょうか?
オープン間近のたんぽぽのおうちにお邪魔し、インタビューしてきました。


 

 【 お話を聞いた人 】
医療法人ゆうの森
事務理事 木原信吾さん

 

医療法人ゆうの森は、2000年に愛媛県ではじめての在宅医療クリニック「たんぽぽクリニック」を開業して以来、「在宅療養」を基本に据えながらクリニックや居宅介護支援事務所、訪問介護など、さまざまな取り組みを行ってきました。
そこで、病状の変化や介護力不足のために、最後になって入院を余儀なくされる患者さまをたくさん見て来ました。
「自宅でずっと過ごしたい」「たんぽぽの先生にずっとみてもらいたい」そんな言葉を聞くたびに、さみしさと無力感が入り混じった気持ちでいっぱいになっていました。
今、全国的に在宅療養を支える有床診療所がなくなってきています。
それは、労力がかかるわりに収益が少なく、運営が大変だからという事実があるからです。
確かに大変かもしれない、しかし我々がやらなくて誰がする!
そんな気持ちでこの度、医療法人ゆうの森・たんぽぽクリニックの病床「たんぽぽのおうち」を設立することにしました。

たんぽぽのおうちには、4つのねらいがあります。
1つ目自宅療養にスムーズに移行するためのお手伝いをすること、2つ目は医療ケアが必要な方のショートステイ先として、3つ目は在宅ホスピスの支援をすること、そして4つ目は日中だけを過ごせるデイホスピスとしての機能です。


介護技術や簡単な医療処置等を訓練します。

「退院後、本当に自宅で介護できるか不安・・・」そう思っているご家族の方、多いと思います。
たんぽぽのおうちでは、ご自宅でも安心して介護ができるよう、医師や看護師、栄養士等が、介護食のつくり方、介護技術、簡単な医療処置を訓練する体制を組んでいます。
もちろん、おうちに帰られてから不安なことがあれば、いつでもたんぽぽのおうちを訪ねて来て下さい。


医療処置が必要な方も安心して過ごしていただけます。

看護師が常駐しているので、胃ろうからの栄養剤注入や喀痰吸引といった医療処置が必要な方も安心して過ごしていただけます。
介護保険を利用してのショートステイが可能です。


ご家族と一緒に過ごしたいという気持ちに寄り添います。

「自宅で介護していても、最後はやっぱり病院なのかな・・・」そう思われている方、とても多いです。
ご自宅で看取りまでは心配と思っている方は、ぜひたんぽぽのおうちにお越し下さい。
いつもの医師や看護師のいる病床で、自宅療養から途切れることのない入院療養を提供します。


日中、一緒に居られないご家族を支えます

「がんの末期だからこそ家で過ごさせてあげたい・・・」ご家族にそんな想いがあっても、お仕事等の都合で日中一緒に過ごせない方も多くいらっしゃいます。
「日中一人にさせてしまうから在宅療養を続けられない」そう諦めてしまう方も。
そんなご家族を支えるため、通所の日帰り型ホスピスをご用意しました。

「入院して病室にいる」のではなく、「自宅にいるような感じ、居心地のよさ」を感じていただけるために、お部屋づくりや料理にもこだわっています。

ご家族の方、患者さんにくつろいでいただけるように、座り心地にこだわったソファ、癒しの絵などインテリアにもこだわりました。
壁は塗り壁。窓からは、山の稜線を望むことができます。
トイレは壁紙で遊び心を演出しています。
 

 

入院しているということを忘れるほどの、落ち着ける雰囲気を目指しました。
間接照明や天窓でとるやさしい光、ご家族の方が宿泊する際に便利なソファにももこだわっています。

 

目指すは、「待ち遠しくて仕方がない」食事。
和食、洋食のシェフが常駐し、いつもの自宅の食事とはまた違う食事を提供しています。
「最後まで口から食べる」をモットーに、嚥下食にも対応しています。

坪庭を眺めながら、まるで温泉のような豪華なお風呂です。
機械浴にも対応しています。

 

 

「たんぽぽのおうち」はオープン前に、オープニングイベントを開催されたのですが、4日間で550名の方が来られたそうです。
講演も400名近くのご参加があったとか。
この数字を見ただけでも、「たんぽぽのおうち」の注目度、そして今までやってきた手厚いケアにファンがいることが感じられます。
お話を伺い、「どうやって患者さんや家族に寄り添うことができるか」を本当に真剣に考えていらっしゃることが伝わってきました。
「息子がつくってくれたギョーザを食べたい」と患者さんに言われ、おうちに行って一緒にギョーザをつくったり、末期の患者さんが冬に「桃が食べたい」と言われ、探し回って山梨から桃を送ってもらったなど…、そこの気持ちがあるからこそできたエピソードがたくさんあります。
常に「家族だったらどうするか?」を考えた上で行動されているので、ハード面だけではなくソフト面も安心しておまかせできる、そんなあたたかいおうちでした。

【 施設情報 】
医療法人ゆうの森 たんぽぽのおうち
〒791-8056
愛媛県松山市別府町444-1
TEL 0120-72-8104
http://www.tampopo-clinic.com/index.html
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