2016.06.05今月のメディカサイト特集

愛媛にもいよいよ誕生 !愛媛県介護支援専門員協会

全国各地に存在する「介護支援専門員協会」。
実は数年ほど前から、47都道府県で県の職能団体がないのが愛媛のみに･･･。
しかしこの2016年5月、満を持して、愛媛にも協会が発足しました。
今回の特集では、発足までの想いをご紹介させていただきます。

愛媛県介護支援専門員協会会長
松山市基幹型地域抱括支援センター
主任介護支援専門員
矢川ひとみさん

愛媛県に在住、もしくは職場のある介護支援専門員（ケアマネージャー）で構成される職能団体のこと。
ケアマネージャーの資質の向上と、地位の確立をはかることを目的として活動しています。

実は5～6年前から日本介護支援専門員協会から「愛媛にも介護支援専門員協会を」という声があがっていたのですが、設立するにはエネルギーが必要。
ひとりでは到底できないので、仲間を集うことから始めないといけません。
実務にも追われ、忙しいケアマネージャー。
手を挙げる人がいなかったのが正直なところだと思います。

日本各地で相次ぐ災害をみて、お年寄りのケアを取りまとめる窓口の必要性を感じたからです。
愛媛県が被災地にならなかったとしても、他県からお年寄りを受け入れることもあります。
他県のケアマネが愛媛県にヘルプを求める際、大きな組織がないと、誰に声をかけたらよいのか迷ってしまいます。
点と点をつなぐ「線」の仕事だけでは支援も不十分になることもあります。
さまざまな場面、状況に対応できるよう「面」の仕事をしていくことも必要。
また、高齢者、ヘルパー、医師、それぞれをつなげるのがケアマネの仕事ですが、ケアマネ一人で対応していると、高齢者に不利益を被りかねないと感じました。
そして何より、ケアマネの一人ひとりが胸を張って「私はケアマネージャーです！」といえる環境を整えたかったのが一番の理由です。
みんなで知識を持ち寄り、勉強会などを開催することによって、意識を変えていきたいと強く思いました。

愛媛のケアマネ自身が設立を望んでいないのであれば、設立する意味がありません。
まずは、愛媛県の主任ケアマネージャーにアンケートを取りました。
愛媛に介護支援専門員協会ができたらよいと思うか、地域の介護支援専門員の組織に加入しているか、加入していないならなぜ加入しないのか等の質問をして、現状把握を行いました。
地域などの組織に加入していない人の多くが、「介護支援専門員の組織の存在を知らない」「会費が高い」等の理由を上げていました。
そこで、県組織を立ち上げることを知ってもらうために、準備記念講演会を開催（2015年12月）、会費も愛媛県では年間3000円にすることに決めました。

2016年5月21日(土)、いよいよ愛媛県介護支援専門員協会の発足式を執り行うこといなりました。
最初は不安でしたが、申し込みの時点で500人超え。
当日は、塩崎厚生労働大臣の飛び入り祝辞も頂戴しました。
参加者約５００名、会員の申し込みは６００名程度です。
大きなトラブルもなく、予定通りに滞りなく開催でき、ほっとしております。
たくさんの参加や入会は、今まで組織がなく「待っていました」の気持ちの表れと思いますし、周知のための対策（設立準備記念講演会や地域包括からの声掛けなど）が、効をなしたと思っています。
この会員数を維持していくためには、これからの活動が重要と思っています。
会員参加型の研修や活動を企画し、会員が主体的に活動できるようにと思っています。

当日のようすが掲載された、愛媛新聞の記事。

毎年一度は総会を、年に2回は企画ものの研修会を行います。
質の向上を図るための研修企画、利用者やケアマネの現状把握のための調査など、今のケアマネージャーに足りないことを洗い出し、一人ひとりがステップアップしていくための場所になれればと思っています。
もっともっと会員を増やしたいと思いますので、ご興味ある方はぜひお声がけください。
一緒に学んでいきましょう！