認知症の人と家族、地域住民、専門職等、誰もが参加でき、集うことができる「認知症カフェ」。
県内でもじわじわと数が増えていき、10月にはメディカサイトでも特集を組ませていただきました。
今回は、ご紹介させていただいた認知症カフェの中の一つ「夢虹色カフェ」をご紹介させていただきます。

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【 主催者の声 】 NPO法人　それいけ夢工房 代表者　菊池弘美さん 夫が57歳で若年性認知症になり苦労をした経験から、同じ想いをしている人の助けになりたいという想いで、2007年から専門家を招いた認知症フォーラムを毎年主催していました。 そのうち、もっと気軽に認知症の人や家族が集える場所を作りたいと思い始め、2017年3月に念願の認知症カフェをオープン。 体が喜ぶお料理をいただきながら、抱えている悩みをシェアしたり、学びあえる場所になればと思います。 (なぜ料理にこだわるの？) 夫が入院した際、医師から「胃ろうにしましょう」と言われましたが、それを拒否し、週に3回手作りの食事を届けました。 食べることは、生きる喜び。 それをなくしたくなかったからです。 もともと料理は好きでしたが、夫に食べさせるために、調理学校に通って介護調理の資格も取りました。 夫は、私の顔も名前も分からない状態でしたが、食事の際にはおいしそうに食べてくれました。 結果、医師から告げられていた寿命よりも3年長生きしました。 誰かの役に立てたらと、夢虹色カフェ以外にもNHK文化講座やえひめ健康文化教室にて料理教室の講師をしています。

 

 

中に入ると、テキパキとお料理をしている菊池さんの姿。 「どうぞ、座ってゆっくりしていてください」と声をかけてもらいました。 お料理を手伝うのもよし、ゆっくりくつろぎながら参加者と会話を楽しむのもよし。 お料理ができるまで自由に過ごします。

 

ウェルカムドリンクの甘酒が出てきました。 コクのある、優しい甘み！

 

体が弱かった幼少時代、祖母が体のためにと発酵食品を食べさせてくれていました。 そのおかげか、私は35年間体調不良を理由に仕事を休んだことはありません。 甘酒には、いろんなビタミンが入っています。 その昔、疫病が流行した際も甘酒を飲んでいた人はかからなかったとも言われています。

楽しくおしゃべりをしながら甘酒を飲んでいると、菜飯が登場。 本日のご飯です。 常連の参加者がお茶碗によそってくれました。

 

噛みごたえを持たせるため、お米は敢えて硬めに。 しっかりと口を動かすことは脳の活性化にもつながります。

今日のお料理がそろいました。 お野菜は無農薬を中心にセレクト。 できる限り発酵食品を使ったレシピにしています。

 

魚は昨晩から塩麹に漬けておいたもの。 一晩漬けることで発酵が進み、ビタミンが豊富になります。 アサリの味噌汁は、ムチンが豊富。 肝臓病や糖尿病にも良いと言われています。

食事をしながら、たくさんのお話。 参加者には、認知症の人や家族以外に、認知症予備軍の人たちや、専門職の人たちも。 「診察室では、なかなか愚痴をこぼせないもの。こういった和やかな雰囲気の中なら、ご家族の本当の悩みを聞き出せるのでは？という想いで参加しています」と、医師も参加していました。

 

食事は人の心を和らげてくれます。 認知症の人も、美味しいと感じてくれるらしく、食べっぷりが見事です。 体に優しいものを食べながら、心をやわらかくし、悩んでいることを自然と打ち明けてもらえたらうれしいです。

おやつのバナナの揚げ物をいただいたり、コーヒーを飲んだり、みかんを食べながら、おしゃべりに花を咲かせたあっと言う間の2時間でした。

 

 
菊池さんのパワー、明るさ、包容力に元気をもらえる場所でした。
食事がとにかく美味しくて。
何でもしゃべってしまいそうな雰囲気です。
ただ美味しいだけではなく、一品一品健康を意識したレシピ。
介護食に関しての悩みも相談できるのが大きな強みです。
食事は生きる喜びと言われていましたが、食の大切さに改めて気づかされました。
これからも、多くの人が訪れ、学び、しゃべって、元気になってくれたらいいなと思います。

【 取材協力 】 夢虹色カフェ(七色の異なる個性の人びとが集う場) 住所：松山市泉町22-3 菊弘ビル1F TEL：089-947-2901／089-931-0978 開催日時：毎月第2・4日曜日　13:00～15:00 利用料：会員登録制 入会金　1家族2,000円　参加費1,000円