■見た目と味で、季節感を出す
今回のシェフは飲食店での経験が15年、介護施設にてお食事を作られはじめてから20年という、ベテランさん!
月に2回作るという『行事食』を取材させてもらいました。
「利用者さんに変わったものを食べてもらいたい」という気持ちから、味わいからも見た目からも、季節感を感じられるよう献立の一つひとつに工夫を凝らしているとか。
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写真は、「焼椎茸と青柚子ご飯」に使う青柚子をしぼっている様子。
ネーミングからも分かるように、なかなか珍しいごはんです。
柚子と椎茸の香りが秋の気配を運んでくれそうですね。 |
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徹底的に手作りにこだわり。
錦糸卵ひとつにしても手作り。
冷凍を使うことも、ほぼないそうです。
「なるべく、国内・県内産を」、牛肉も和牛にこだわります。
特に気を使っているポイントは色味。
例えば、なすはミョウバンに付けてから塩ゆでします。
みたらし大根につかう三つ葉も、
さっとゆでて色をよくします。
ちょっとした一工夫で、色味はぐんとよくなります。 |
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バナナいも羊羹にのせている紅葉は、朝一番にお庭からとってきたものとか。
この紅葉があるかないかで、印象ががらりと変わります。 |
■ シェフの顔を見せることで、美味しさUP!
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こだわりはお料理だけではありません。
料理人たちのファッションにも注目です!
「おもてなしの意味も込めて、オシャレなレストランの制服のように」が決まりごと。
季節ごとにルールを決めて、ファッションを合わせているのです。
今の時期はボーダーと黒の三角巾で海賊風!なんだそう。 |
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完成したお料理は、料理人が運び、利用者さんにきちんと説明を行います。
このとき、料理中はつけていたマスクをはずすのがポイント。
「この人が料理をつくってくれているんだ」
と思ってもらう事が重要なのです。 |
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シェフがお料理を運んでくると、
「今日は、何やろか?」
「楽しみにしとったんよ!」
利用者さんの目がキラキラ輝きはじめます。
シェフが献立を発表すると歓声があがります。
「バナナいも羊羹ですって!どんな味がするんやろ?」
そんな声を聞いて、シェフも毎回嬉しくなるそうです。
お互いにモチベーションがあがる、大切な時間なのですね。 |
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お年寄りへの食事は、「カロリー控えめに」。「固いものはNG」などマイナスの面から考えがち。
でもシェフは一番に“おいしいかどうか”を考えたいそうです。
“おいしい”を盛り上げるために、使う器までに気をくばります。
見た目にこだわっていると、自然と栄養バランスも整っていくとか。
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今日の献立は
・ 鮭の塩焼き
・ 焼椎茸と青柚子御飯
・ みたらし大根
・ なめこのみぞれ椀
・ 秋茄子利休和え
・ バナナいも羊羹
でした!
秋らしく、香り豊かなとってもおいしいお食事でした♪
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